今回は、ストレス社会で増えるメンタル疾患と鍼灸というお話し。
☆東洋医学の考えにストレスによって、
肉体的・精神的にさまざまな「歪み」が生じ、病が引き起こされるというのがあります。
過労などでストレスが進行すると、うつ病になることもあり、
一般的にうつの人は肩こりや首こり、そして不眠を訴えることが多いそうです。
これを東洋医学的に見ると、うつの人は気の滞りが非常に強い状態にあると定義しています。
本来、気の流れを促す肝の働きが弱まると、気の流れが滞って詰まり、
肩や首がこってしまいます。それによって、経脈が滞ると、心の働きも阻害し、
イライラや不安、不眠などの症状がでるのです。
現代人は昼夜の別なく働き過ぎで過労気味です。
オフィスでずっとパソコンを打っていれば肩も首もこりますけど、
ケアをする暇もなく働き続けると、疲労感や硬直感がだんだん麻痺します。
これは、体の一種の防衛反応のようなもので、
交感神経を優位にさせて疲れている感覚を感じなくさせます。
そうなると、今度は副交感神経、つまり休息をとるための神経へのスイッチが入らなくなり、
夜になっても交感神経が高ぶって眠れず、不眠に落ち入り、慢性疲労が蓄積するのです。
○鍼灸治療では、自律神経に対する作用もあります。
体の緊張を緩めて、痛みやこりを少しずつほぐし、さらに気の滞りを改善させていきます。
その結果、詰まっていた経脈の流れを改善し、
体だけでなく、メンタル面でも緊張がほぐれて心身ともによい状態に持っていくのです。